涙のあとは、あっけない



こんなもんかねえ。
そんなもんだろう。


ふわふわとした足どりで、すすんでいる。


思い出せなかった花の名前は、蝋梅でした。
決して鮮やかではなく、名の通り蝋で包まれたような黄色。
蜜蝋という単語をイメージさせる甘い香り。
春の訪れを待ち侘びる人たちを優しくなだめるように、モノクロの景色を照らす花。